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ソクーロフアレクサンドル・ソクーロフ

1951年ロシア・イルクーツク生まれ。軍人であった父親の勤務地の関係で、少年時代をトルクメニスタン、ポーランド等で過ごす。ゴーリキー大学、モスクワ国立映画大学を卒業し、レニングラード・ドキュメンタリー映画スタジオ及びレンフィルムで働く。1987年までの作品は当局よりことごとく公開禁止となり、ペレストロイカ後になって初めて公開可能となった。公開されるや世界的に注目を浴びる。現在に至るまで旺盛な製作活動を続け、常に問題作を投げかけている。ドキュメンタリー、劇映画双方を手掛け30余りの作品を発表している。日本にも深い関心を寄せ、「オリエンタル・エレジー」「穏やかな生活」「ドルチェ−優しく」の日本三部作を日本で製作した。主な作品に「マリア」「日陽はしずかに発酵し---」「ストーン」「静かな一頁」「精神の声」「モレク神」などがある。

 


2000年(第57回)ヴェネチア国際映画祭招待作品
ドルチェ−優しく  DOLCE
[DVD]カラー63分/税込¥5,184(本体価格¥4,800)/品番SPD-9903
1999年/日本・ロシア合作
ソクーロフと作家・島尾ミホによる映像小説

●解説

 ロシアのアレクサンドル・ソクーロフと奄美の作家・島尾ミホ。ふたりの出会いがこのような映像となって結実するとは誰が想像しえただろう。
 そして島尾ミホその人を知る者はさらに驚くにちがいない。目深に被った帽子と眼鏡をはずすことのない彼女が、本作では赤裸に島尾ミホ自身を演じているのだから。

 映画の冒頭は加計呂麻島を臨む海。背中を向けたソクーロフが、古い写真にかさねて、ある男の生涯を語りはじめる。

 貿易商の長男に生れた読書の好きな病弱な少年は、長じて青年士官となり、加計呂麻島の海軍基地に赴任する。すべてを国家に捧げた27才の男は、島の小学校の女教師ミホとめぐりあう。出撃を前に終戦を迎えた特攻隊の隊長はその後、作家となった。こうして「死の棘」の島尾敏雄はミホと娘のマヤたちを遺し、1986年、脳内出血で世を去った。

 海原に冴える満月。障子の向こうに波間がひろがる。壁にもたれたミホが、ささやくように語りはじめる。アンマー(母)のこと、ジュウ(父)のこと、敏雄との愛の葛藤、そして死。自身への問いかけ、娘マヤとの愛。
 ほかに例を見ない正方形に切り取られた画面のなか、ミホは涙して思い出を語り、古謡を口ずさむ。

 過ぎ去った一切は、たとえそれがどんなに辛い記憶であっても、どこか甘い匂いが漂う。ドルチェ=DOLCEという題名は、フェリーニの傑作『甘い生活』LA DOLCE VITA(’60)を連想させる。『インテルビスタ』(’87/フェリーニ)では、アニタ・エクバーグとマルチェロ・マストロヤンニが『甘い生活』を見るシーンがある。決して齢をかさねることのないスクリーンのふたりを見つめる27年後のふたり!
 『そして船はゆく』(’83/フェリーニ)のロシア語版を監修したこともあるソクーロフは、島尾ミホにアニタ・エクバーグを重ねているかのようだ。

 さて、ソクーロフと島尾ミホの出会いはどのように導かれたのだろうか。
 “日本三部作”の第一弾と呼ぶべき『オリエンタル・エレジー』(’96)で、ソクーロフは日本の各地を撮影した。ソクーロフ独自のスタイルがエキゾチックな異国情緒を放つこの作品は、オリエンタルというよりも日本へのエレジーにあふれている。
 そして『穏やかな生活』(’97)では、奈良県明日香村に暮す老婆の穏やかな生活を綴っている。このような過程で得た多くの日本の友人たちの輪の中で、ソクーロフと島尾ミホとの距離は本人たちが知らないところで急速に接近していたのだ。
 友人からの電話で島尾ミホという存在を知ったソクーロフは、会ったことさえない彼女を撮ることを即断し、日本ではすぐさま製作態勢が整えられた。

 その昔、奄美には近隣の島や本土、沖縄のみならず中国の手品師、ロシアのラシャ売りが訪れ、島尾家ではそうした来客を厚く迎えたという。
 ミホが育った島尾家の風土と、ロシア人を「彼ら」と呼び、日本人を「我々」と語るソクーロフのアイデンティティを知れば、ふたりはいつか出会うべく交差する海流に船を浮かべていたのだ。

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phオリエンタル・エレジー
DVD]カラー43分/税込¥5,184(本体価格¥4,800)/品番SPD-9901
原題:ORIENTAL ELEGY
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
出演:中村おがわ 大野 進 本間ハツ
脚本:アレクサンドル・ソクーロフ
撮影:アレクセイ・フョードロフ
録音:セルゲイ・モシコフ ヨシノリ・カワバタ
美術:ペーラ・ゼリンスカヤ
協力:山本昭信 みやこうせい
字幕:児島宏子
1995年/日本・ロシア合作
アレクサンドル・ソクーロフの“日本三部作”第一作 オーバーハウゼン国際短編映画祭大賞受賞作品  ソクーロフが日本で初めて撮った作品。日本各地を撮影し、独自のスタイルで、今ここにないもの、いつしかどこかで私たちが忘れてしまった日本の心、記憶を求めたソクーロフによるエレジー。オリエンタルというよりも日本へのエレジーにあふれている。ソクーロフは語りかれる。「魂たちが私を待っている 残る生涯をかけて彼らの話を聞こう 私は島に残ろう」と。1996年1月、NHKで放映され大反響を呼んだ(撮影後に日本で編集した日本ヴァージョン、38分)。その後、サンクト・ペテルブルグで新たに編集したものがこのロシア・ヴァージョンである。(日本初公開2000年)

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ph穏やかな生活
[DVD]カラー76分/税込¥5,184(本体価格¥4,800)/品番SPD-9902
原題:A HUMBLE LIFE(ORIENTAL NOSTALGIA)
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
出演:松吉うめの
撮影:アレクセイ・フョードロフ
編集:レーダ・セミョーノブァ
録音:セルゲイ・モシコフ
尺八演奏:古川利風
字幕:児島宏子
1997年/日本・ロシア合作
アレクサンドル・ソクーロフの“日本三部作”第二作  奈良県明日香村に暮す老女の穏やかな生活を綴る。強さと優しさが息づく百年の時を経た家。梁を抜ける風、木彫りを照らす灯り、土間の音。生活の細部、質、確かさ---すべてがソクーロフを魅了してやまない。 ロシア人を「彼ら」と呼び、日本人を「我々」と語るソクーロフは、この作品で、愛する日本と日本人の感覚を静かに伝達しようとしている。(日本初公開1997年)

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