荒木さん

[アラキネマ]は,映画でもなくスライドでもない,全く新しい写真表現である。
写真家・荒木経惟自身の演出による写真表現を,見る側が同時体験し共有するものである。エモ−ショナルな動きは,田宮史郎,安齋の手による官能的なオ−バ−ラップによってもたらされ,光を通して見るその映像に音楽が加わる。一枚の写真が光を通して闇の中にイメ−ジを結び,次の瞬間には二枚目の写真とオ−バ−ラップして溶け合い交じり合い,二枚目の写真が確かなイメ−ジを結ぶと最初の写真は闇の中に消え去る。この瞬間,この刹那,この官能。アラキネマは一つの確かなジャンルである。

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